2023年の入学生の予定

4月から7月までは言語運用能力(日本語と英語の比較、ことばの大切さ、情報伝達方法による人間像の確立、読んだもののイメージ化)などを学びます。特に、英語においては「文法の棚下ろし」をし、英文の長文、構造分析ができるようにします。
これは将来、論文を読んだり書いたりするための基礎力となるからです。

9月から翌7月までは瀬戸内グローバルアカデミーが用意し、College of the Atlanticの認定科目となったカリキュラムを学びます。Zoomによるオンライン科目と対面科目があります。9月から11月までは日本語での授業。思考力、読む力、理解する力、ことばの大切さなどを学び、課題を与えられフィールド(福島)に行きます。1月から3月は基本的に英語で授業を行います。バイリンガルの先生たちですので、分からない場合は日本語でのサポートが入ります。2月は本物に触れるという経験をするために屏風絵の専門家と一緒に美の感性を磨きます。5月から7月は全て英語の授業です。最後の授業は環境問題を破壊された豊島にフィールドワークを行います(これは日本語)。

提供科目

9月 ヒューマンエコロジーの世界

Introduction to Human Ecology

Koichi Kimoto
木本浩一

Koichi Kimoto

地理学生まれ、社会科学育ちの研究者。豊富なフィールドワークの経験と、広範な理論的視野を持つ。SGAの導入科目として、ヒューマンエコロジー(HE)とは何か、自然観・世界観の黎明期における哲学的思考の訓練について学ぶ。

10月 福島における現状と課題

Fukushima-Fieldwork

Hiroaki Yabe
矢部寛明

Hiroaki Yabe

東日本大震災から10年が経過する中で、福島は未だに多くの課題に包まれた地域である。浪江町を中心に、復興に向けて尽力する各界のリーダーとの対話を通じ、生き方や本質的な課題感に着目し、地域課題を分析、可視化を行なう。

11月 言語の観点から社会を分析

Eco-linguistics

Hiromi Nagao
長尾ひろみ

Hiromi Nagao

言語社会学の専門家である。①法廷通訳人の誤訳から生じる冤罪の事例で「言葉」の大切さ、人の人権、人間のコミュニケーションのあり方を学ぶ。また、②Rachel Carsonの「Silent Spring」を読み、言葉が醸し出す環境問題への深刻な訴えを理解する。

1月 SDGsとNPOの役割

What is SDGs?

Mika Marumoto
丸本美加

Mika Marumoto

英国NGO Help Age International理事、米国メリーランド州NPOアドバイザー。非営利セクターにおける理論的枠組み、アジアにおけるNPO ガバナンスの課題、NPOがSDGs 達成のために果たす役割と戦略の提言をまとめる。

2月 日本の芸術

Japanese・Modern

Masanori Mimasu
三桝正典

Masanori Mimasu

京都の大徳寺、下蒲刈の蘭東閣の茶室など、数多くの屏風絵、襖絵を手掛けるアーティスト。Japanese・Modernをテーマに、美と自然、人間と芸術の関係を探求し、共に一つの屏風絵を書き上げる。

3月 平和と平和文化

Peace Studies

Steven Leeper
スティープン・リーバー

Steven Leeper

平和活動家、長年原爆被爆者の証言を翻訳・通訳。広島平和文化財団の理事長、アメリカ人初の広島平和記念館館長を歴任。個人として、集団として、また地球に住む人問として、持続可能な平和構築のための社会づくリを探求する。

5月 理系論文の書き方を学ぶ

Science Writing

Elma Tamura
エルマ・タムラ

Elma Tamura

フィリピン国立大学で動物学を学んだ後、広島大学にてScience Educationで博士号を取得。学生が自らの関心がある環境問題に対し科学的知識を研究し、その知識を応用した実験を行なった後、解決策を提案する理系研究論文を書くという挑戦をする。

6月 新しい時代の社会起業

Social Business

Denise Crossan
デニス・クロッセン

Denise Crossan

Swarthmore Collegeラング研究所客員教授。非営利団体、営利事業など、さまざまな形で存在する社会起業(ソーシャル・ビジネス)の概念を、「社会起業モデルキャンバス」を用いて明確にし、平和な社会の構築と社会起業の関係を考察する。

7月 フィールドワークという手法

Teshima- Fieldwork

Koichi Kimoto
木本浩一

Koichi Kimoto

インド農村での動態地誌学的なフィールドワークを皮切りに、中国、インドネシア、スコットランド、フィリピン、ルーマニア、スロベニア、チリなどで森林経営に関する調査を経験。豊島(香川県)をフィールドに実際にFWを行ない、その手法を身につける。