ご挨拶

瀬戸内グローバルアカデミー代表
長尾 ひろみ
今からの時代は誰もが先の時代を予測することができない、正解のない時代」になっていくのです。国も学校も親も、将来幸せになれるかという「正解」を子供たちに示せない時代になったのです。であれば、どうしたらいいのか? 「自分の生き方を自分でデザインし、その自分に責任を持つことができる子供たちを育てる」ことです。学校で暗記を基にした教育をするのではなく、「考える力を付ける教育」をすることです。
簡単に言うと、「人に言われて行動するのではなく、自分で考えて行動できる人」の育成です。日本の従来の教育は、「指示に従う模範生が教育の目標」とされてきました。今の大学生も、出された課題はしっかりとできます。でも、「指示が出なければ自分からは何もしない(思いつかない)」学生が大学でも大半です。そんな子たちが海外に出ると、全く機能しないロボットになってしまいます。時代は刻々と変化していきます。アメリカのトランプ大統領が就任し、国際関係、経済構造、倫理観がすべて変わります。そんな中で日本の立ち位置を理解し、海外との交渉を対等にできる人を育てたいと思います。
そこで、「思考できる人間を育成するという」ビジョンを達成するために、2020年4月に、米国メイン州にあるCollege of the Atlantic と連携して、日本における新しい大学教育「瀬戸内グローバルアカデミー」を開校しました。College of the Atlanticはアメリカの小さなリベラル・アーツ大学で、アメリカの大西洋に浮かぶ島で後ろに壮大なアーケディア国立公園がある小規模な大学です。College of the Atlanticは、Human Ecology、Social Entrepreneurを教育理念としています。Human Ecologyとは、人間が自然を制覇し破壊してきた時代から、人間も自然の一部であり、どのように自然と共存できるかを考える理念です。Social Entrepreneurとは、自分だけが利益を上げれば良いという考えではなく、自然保護、社会貢献になるビジネス展開のことを言います。
この瀬戸内グローバルアカデミーは、学生を主体とする自由な教育手法を採り、将来、世界に出てみたい若者、ゆっくりと生き方を考えたい若者、問題解決の手法を学びたい若者を、専門分野のエキスパートと共に応援し、アメリカのリベラルアーツであるCollege of the Atlanticへ橋渡しをします。将来、自然環境、社会問題を解決するための基礎力・体力・知力・思考力、そして世界に羽ばたくためのコミュニケーション力を育みます。瀬戸内グローバルアカデミーは1年半のプログラム(カリキュラム)、つまり半年で英語の基礎(文法)を徹底的に復習し、その後の1年間で9科目(9単位)用意します。この9科目はCollege of the Atlanticの教務委員会に正式な科目として扱われ、その単位を持ってCollege of the Atlanticの2年生に編入できます。
瀬戸内グローバルアカデミーに入学してアメリカのリベラルアーツ大学であるCollege of the Atlanticに編入し、自分の人生を思う存分デザインして世界に羽ばたく学生が増えることを望んでいます。